1.LEオーディオとは
LE オーディオとは、Bluetooth技術利用に対する認証を行う団体Bluetooth SIGが2020年に発表したBluetoothの次世代音声規格です。
「LE」は低消費電力(Low Energy)を意味します。その名前の通り、LE オーディオは従来のBluetoothオーディオとは異なる新しい音声コーデックや伝送方式を使用することで、高音質・低遅延・低消費電力を実現しました。
2.LEオーディオとClassicオーディオ
Classicオーディオは従来のBluetoothオーディオです。
元々Bluetoothオーディオは通話用としてスタートした規格で、LEオーディオが登場するまで大きくアップデートされることはありませんでした。2020年にLEオーディオが発表された後、新旧を区別するために、従来のBluetoothオーディオを「Classic オーディオ」、新しいBluetoothオーディオを「LEオーディオ」と呼ぶようにしました。
3.LEオーディオの特長
① LC3コーデック
LEオーディオのコーデックは、「LC3(Low Complexity Communications Codec)」を利用しています。
Classicオーディオにおける標準コーデックである「SBC(Sub-band Codec)」と比較して、同じビットレートでもより優れた音質を提供し、さらに、音質を維持しながらビットレートを低く圧縮することが可能となります。つまり、低いビットレートでも高音質を実現できます。
このことにより、通信データ量が減少し、省電力の効果を発揮できます。
② マルチストリーム・オーディオ(Multi-Stream Audio)
マルチストリームとは、スマートフォンやオーディオ機器など一つのデバイスが同時に複数のイヤホンにデータを送信できる仕組みです。
このマルチストリーム機能により、イヤホンの左右独立伝送や複数のスピーカーへの同時ストリーム伝送が可能になります。
③ ブロードキャスト・オーディオ(Broadcast Audio)
ブロードキャストとは、ラジオなどの放送システムのように多人数に同時にデータを伝送できる機能です。
従来のClassicオーディオは一対一の通信であるユニキャスト(Unicast)ですが、LEオーディオはブロードキャストに対応しています。
ブロードキャストにより、範囲内のすべての受信者へ同時にデータを送信できます。例えば、一台のスマートフォンで再生する音楽はBluetooth経由で簡単に周囲の人々と共有できます。また、ペアリングの必要もなく、通信可能なエリアに入ると受信デバイスが繋がれるというメリットがあります。
LEオーディオ最初は補聴器向けの規格でしたが、上記の特長により、今後は補聴器の市場だけでなく、空港、駅などの共用施設、会議場、展覧会、映画館など、様々な場面での活用が期待されます。
当社では、LEオーディオ対応のBluetooth製品を取り扱っています。
詳しくは、 製品ページ をご覧ください。